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乾燥肌(皮脂欠乏症)

乾燥肌(皮脂欠乏症)とは

乾燥肌(皮脂欠乏症)とはカサカサしている皮膚のことを一般に乾燥肌と呼びますが、その原因の1つになるのが、「皮脂欠乏症」です。皮膚の表面の脂が少なくなることで水分が蒸発し、乾燥します。
かゆみから引っ掻き、さらに症状がひどくなるというケースが少なくありません。

アトピーとの違い

皮脂欠乏症は、加齢などを原因として起こる皮膚の乾燥です。
一方のアトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能の低下に環境因子が加わることで発症します。かゆみを伴う湿疹が現れたり、引っ掻いてジュクジュクしたり、かさぶたができたりします。そしてこれらの症状が、良くなったり悪くなったりを繰り返します。
ただ、皮脂欠乏症は皮膚のバリア機能が低下している状態でもあるため、アトピー性皮膚炎の下地となることがあります。

乾皮症との違い

乾皮症は、皮脂欠乏症と同じ意味を持ちます。
皮脂欠乏症の別名です。

乾燥肌の原因


乾燥肌の原因加齢などによって皮脂、保湿因子、角質細胞間脂質が減少することで、皮膚の水分が蒸発し、乾燥肌になります。
また乾燥肌になると、アレルゲンや微生物が皮膚へと入り込みやすくなったり、刺激への抵抗性が低くなるため、他の皮膚疾患にもかかりやすくなります。

乾燥肌が悪化する原因

  • 空気の乾燥
  • 衣類、タオルなどとの摩擦
  • 熱いお風呂、長時間の入浴
  • エアコン
  • こたつ、電気毛布
  • 飲酒、刺激物の摂り過ぎ

身体が温まる行為、体内の水分が減少する行為などは、乾燥肌の悪化因子となります。

自分でできる乾燥肌の改善方法・対策

 

熱いお湯・長時間の入浴は避ける

熱いお湯でのシャワー・入浴、長時間の入浴は、皮脂を過剰に落としたり、体内から水分が失われることになるため、避けましょう。サウナも同様です。
乾燥肌対策としては、ぬるめのお湯に15分程度浸かるのがおすすめです。

入浴後なるべく早く保湿する

入浴後は、タオルで身体を拭いたら、できるだけ早く保湿をしてください。時間が経つと、水分が蒸発してしまいます。

刺激物となる食事は控える

香辛料、アルコール、カフェインといった刺激物は、発汗作用、利尿作用などによって、乾燥肌・かゆみの原因となります。摂り過ぎないように注意してください。

室内の乾燥を防ぐ

特に冬場、暖房器具を使っていると部屋の空気が乾燥します。
加湿器を使用するなどして、湿度は50~60%を維持しましょう。濡れたタオルを室内で干すという方法でも、加湿ができます。

肌に触れる衣服に気を付ける

ナイロン、ポリエステルといった化学繊維は、乾燥肌やかゆみの原因となります。
特に肌に直接触れる衣類については、木綿などの天然素材を使ったものを使用することをおすすめします。

汗はこまめに拭く

汗をかいたまま放置していると、乾燥肌やかゆみの原因となります。普段から小まめに汗を拭き、汗だくになった時にはシャワーを浴びる・着替えるなどして汗の放置を避けましょう。

乾燥肌の治し方(治療)

主に、薬物療法による治療を行います。
これに加えて、先述した乾燥肌の改善方法・対策を実践しましょう。

薬物療法

薬物療法では、保湿剤、ステロイド外用薬、抗ヒスタミン薬などを使用します。

保湿剤

洗顔後や入浴後は必ず、またそれ以外のタイミングでも小まめに保湿剤を使用しましょう。
夏はサラサラとしたローションタイプを、冬は保湿性の高い軟膏タイプ・クリームタイプを処方するなどして使い分けます。

ステロイド外用薬

炎症、およびかゆみを抑える薬です。
ステロイド外用薬は、正しく使用すれば、ほとんど副作用なく、しっかりとした効果が得られます。使い方は丁寧にお教えしますので、ご安心ください。

抗ヒスタミン薬

かゆみの原因となるヒスタミンの放出を抑制する薬です。
副作用としては、眠気、のどの渇き、吐き気、便秘などがあります。