魚の目(鶏眼)
魚の目とは、足の裏の角質が円形に厚く硬くなった状態を指します。中央部に芯があり、これが目のように見えることから、「魚の目」、または「鶏眼」と呼びます。
ハイヒールや合っていない靴を日常的に履いていたり、歩き方に癖があることで足の裏に繰り返しの偏った力が働き、この力に対する皮膚の防御反応として発生します。
症状
- 足の裏の円形の硬い盛り上がり
- 歩行時、圧迫時の痛み
- 中心の芯
歩くのが辛くなるほど、痛みが強く出ることもあります。
たこ(べんち)
足の裏にできる「たこ」は、魚の目とほぼ同じ原因によって発生する、角質のかたまりです。
ただし、魚の目とは異なり中央部に芯がなく、痛みもありません。また、長時間のペンの使用によって手指にできたり(ペンだこ)、長時間の座位によって足やお尻にできたり(座りだこ)することがあります。
たこは、「べんち(胼胝)」とも呼ばれます。
症状
- 足の裏などの皮膚の円形の硬い盛り上がり
歩いたり押したりしても、痛みはありません。また先述の通り、手指、お尻などにできることもあります。
魚の目・たこの原因は?
うつる病気なの?
足の裏にできる魚の目、たこは同じ原因を持ちます。
なおどちらも、細菌やウイルスなどの病原体が関与するものではないため、人にうつる心配はありません。
ハイヒール・合わない靴による刺激
女性に多いのが、ハイヒールを日常的に履くことで、足の裏の一部が繰り返し圧迫・摩擦されてできる魚の目・たこです。
また、かかとが高くなくても、縦幅や横幅が合っていない靴を日常的に履くことで魚の目やたこができることもあります。
歩き方の癖
もともと、あるいはケガ・病気などで歩き方に癖が出る人は、足の裏の一部の皮膚が繰り返し圧迫・摩擦を受け、魚の目やたこができることがあります。
スポーツによる負荷
マラソンや短距離走、裸足で行う武道、細かなフットワークが求められるスポーツも、足の裏が圧迫・摩擦される機会が多いため、魚の目やたこの原因となります。
魚の目を放置するとどうなる?
魚の目に痛みがあるのは、芯によって神経が刺激されるためです。そして芯は、放置して圧迫や摩擦を受けることで徐々に大きくなるため、それに伴い痛みが強くなるおそれがあります。
また、強い痛みや腫れを伴う滑液包炎を合併することもあるため、放置せず、早めに受診されることをおすすめします。
自分で魚の目の芯を取る・治し方
初期の魚の目
肥厚がそれほど進んでおらず、痛みの軽い初期であれば、市販の薬(保護パッド)を使用して治ることがあります。
ただしその場合も、正しい靴に替えたり、ハイヒールをやめる・頻度を減らすなどの対策は必要です。
芯が食い込んだ魚の目
芯が大きくなり食い込んでいる場合、痛みが強い場合には、サリチル酸の入った魚の目用の市販薬(パッドタイプ/ジェルタイプ)で魚の目をやわらかくした上で、手で取り除ける範囲で芯を取り除きます。
ただし、カミソリやカッターを使う、無理に芯を取り除こうとすることはおすすめしません。二次感染のリスクもあるため、やはり皮膚科で治療を受けるのが安心です。
皮膚科での魚の目治療
生活指導
靴の選び方、歩き方について指導をします。足の裏に負荷のかかりにくいインソールを使うという方法もあります。
再発防止のため、削る治療・切除治療を行った場合も、正しい靴の選び方・歩き方は継続していく必要があります。
削る治療
魚の目をやわらかくするスピール膏を数日から1週間貼ってもらった上で、メス、ハサミなどで削ることもあります。1カ月に1回程度の頻度で、必要に応じて何度か繰り返します。